福ちゃんの「日本料理に心酔中!」〜食事が2倍楽しくなるブログ〜

2月

フグの身体には、面白い名前がいっぱい!

フグのお刺身って、変な名前ついてたわよね!

「てっさ」のことかな?

そう!どこにもフグって文字が入ってないじゃない!
どうして「てっさ」なんて呼ぶの?

フグは毒を持っているから、当たると死ぬ。だからフグのことを鉄砲というよ。
「てっぽう」の「さしみ」だから「てっさ」なのさ。

完全にダジャレじゃないw
でも単に「フグのお刺身」って言うよりもひねりがあって楽しいわね!
ほかにもそういうの、あるの?

鉄砲:フグの異名!

てっちり鍋
てっちり鍋。

フグは強い毒を持つことから、「当たると死ぬ」=「鉄砲」にたとえられ、「てっさ(鉄砲の刺身)」「てっちり(鉄砲のちり鍋)」という呼び名が生まれた。

というか、てっちりの『ちり』って何?

ちり鍋のことだよ!

ちり鍋とは、鍋料理の一種で、新鮮な白身魚や貝を野菜とともに湯煮しながら食べるもの。「ちり」は、鍋で煮た魚の身がちりちりと縮む様子に由来。

湯気のたち上る鍋から、今まさに煮えたものを取って橙酢や柚子醤油で食べる。これは、いやはや、『ちり鍋』が冬の季語である事実に誰が文句をつけられよう。

代表的な野菜は葱・豆腐・白菜・春菊・三つ葉など。

ちり鍋の典型は、河豚ちりのほかにも鯛ちり・鱈ちり・牡蠣ちりなど。冬の定番宴会料理、家庭料理だ。

トオトウミ:身皮

フグの皮。
フグの皮ぽん。

身皮(ミカワ)と真皮の間にある部位のこと。

トオトウミは身皮の隣にあることから、「三河」の隣国である「遠江(トオトウミ)」にかけたことに由来します。(ミカワもトオトウミ、いずれも地名です。昔の地図、廃藩置県前のものなら載っているはず😂

想像しにくい方へもうひと声。

フグの皮は、実は三層になっているのです。
一番外側(表皮)、中間、内側に分かれます。

・一番外側=真皮。表面なので他の層より硬め。

・中間=ここがトオトウミ(遠江)と呼ばれる部分。白っぽい透明なゼラチン質でプリプリ。

・内側=身皮。コリコリした食感。

つまり、皮のどまんなかかあ!

身皮やトオトウミは、コリコリとした食感で、湯引きして細かく切り、刺身に添えられます。
   

 ウグイス:意見の割れる部位!

こちらはネット上のみならず、何冊か書籍をみてもどの部位を指すかがバラバラでしたw

口部分だと説明されることが多いですが、カマの部分だと主張するサイトもありました!

しかし!
自分が信頼を置いている本とも一致していたので、私は下記の説の支持者です。

春帆楼さんのHPから引用です!

歯、骨のほかは主に皮で肉は少ない。ひれと同様に皮の毒性に準じ、皮を食用にできるふぐ以外は使用してはならないことになっております。くちばしを俗に「うぐいす」とも呼ばれますが、しりびれ基部の血合い筋を「うぐいす」と呼ぶのが正しいとされております。

ちなみに春帆楼さんは、下関の老舗料亭旅館。

秀吉以来初となる、政府によってフグ料理提供が公認された最初のお店。

下関春帆楼:https://www.shunpanro.com

  

西施乳:精巣

とらふぐの白子
トラフグの白子。「白子」はどの魚にも使う名だが様相はそれぞれ違う。

白子という呼び名が一般的であるが、部位で言えば精巣のこと。なお、白子の読み方はシラスではなく、シラコである。

産卵期前の時期、雄のフグの白子は肥大。栄養価も高く、高級食材と相成ります。

その張りや艶かしさから、西施の乳房にたとえられ、『西施乳(せいしにゅう)』と呼ばれる。(西施とは一体どなた…と思い調べると、なんと中国楊貴妃と並ぶ中国四大美女のひとり。中国の春秋時代(紀元前5世紀)に生きた方で、国が傾くほどの美人と言われたそう。)

西施像
西施の画。中国明代(1368年~1644年)の書物「本草綱目」にも「西施乳」という記載があるそうで、どうやら輸入した呼称のようだ。たしかにそんな呼び方をされれば、よっぽど御馳走感が増す。

ところで、内臓なのだから毒があるのでは…!?

その通りで、フグの種類によっては毒を持つ。

トラフグにおいては白子は無毒であると解明されているが、フグ一般の白子に毒がないわけではない。過去には実際に、白子ならどのフグでも大丈夫だと勘違いした店主が提供し中毒が起きた事故もあった。

フグの種類によって食用可能な部位が異なる。皮に毒を持つ種もあれば、身に持つ種もある。身体のどの1部分すら人間が食せない全身が毒のフグもいる。フグ調理の免状を取得しても、知識の研鑽を怠ることはできないし、いわんや素人調理などは決して許容されるべきではない。なにしろ、世界には80~100種類のフグがいるのだ。

名古屋フグ:ヒガンフグ

ヒガンフグ
ヒガンフグ。お彼岸=「あの世行き」。衝撃的なネーミングだ。

ヒガンフグが「名古屋フグ」と呼ばれるのも、歴史と関係がある。

毒に当たると身の「終わり」であるから、

「尾張(おわり)」と 「終わり」をかけた。

尾張というのは地名で、徳川家が尾張藩主であった。

尾張藩は、名古屋城を居城にしたので正式には名古屋藩と呼ばれた。ここから「名古屋フグ」。

そしてさらには、名古屋藩は美濃(今の岐阜のあたり)の一部も治めていたため「身の終わり(美濃、尾張)=死」にもかけてある。かなり難易度高いw

面白いねw
歴史の勉強にもなったわ!
他にも知ってたら、コメントでおしえて頂戴!

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