
【エッセイ】
天ぷらとポルトガルワイン。
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揚げ物とポルトガルワインが美味しい。
今回の白は串揚げよりも天ぷらに良い。
オールドファッションよりもオニオンリング。笑
わさび塩なんかが合いそうだ。
てんつゆならば、辛めの大根おろしを山盛りに乗せたい。
梅雨になると天ぷらが食べたくなる。不思議だ。
雨の音と、職人の揚げる音が似ているからだろうか。
それとも、天からの湿度に絡みつかれる音よりも、幾分か、天ぷらの奏でる音の方が、からりと弾けるぶんだけ、気分がいいからだろうか。
天ぷらの語源はポルトガル語という説が飛び出て、テーブルの話題も弾けた。ちょうどポルトガルワインを流し込みながら、私たちは遠く生まれていなかった時代に思いを馳せた。
ひと口、またひと口と衣をリズム良くシャクシャク言わせ合う私たちのタイミングを伺いながら職人はジュー、カラカラと油の金管楽器で応戦しこの店はさながらオーケストラだ。
計らずも天ぷらの語源について本を読んだばかりだったから、南蛮船の話をした。スペイン語だと天ぷらは寺を指すようで、日本も元来、揚げ物は寺で食べていた。語源がどこから来たものかなんておそらく当時の人々であってもたったひとつでは無かったろう。
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