
【季節の言葉】『春一番』
言葉から季節を感じとろう!というコーナーです。
農耕民族であった日本は、農事を中心に生活していました。
暦も、今では使われていない ”旧暦” と呼ばれる「農事暦(太陰暦)」を使いました。
これは、1年を72つに細かく分けます。季節は、72つもあったのです。
なぜそんなに細かくしたかというと、自然は1日たりとも同じ日はなく、変化し続けています。どの季節にどのような農事が適しているか、どの季節に天候が荒れやすいかなど、敏感になって生きる必要があったからです。
日差しが柔らかくなり、あたたかく感じるこのごろ。
昨晩から窓を揺らす強い風。日中も街の木々がうねりをあげていました。
もしかして、春一番かな?
…そう、春になって最初に吹く強い南寄りの風を『春一番』といいます!
これまで寒さにくすぶっていた春の気配たちが、大きな風となり一斉に私たちの生活へ春をもたらす風なのです!
なお、その突風が果たしてホンモノの『春一番』かどうかは、気象庁が判断・発表することになっています。

『春一番』の定義とは?
気象庁による春一番の定義
季節が冬から春へと変わる時期に、初めて吹く暖かい南よりの強い風のことを言います。具体的には、2月4日ごろの立春(りっしゅん)から3月21日ごろの春分(しゅんぶん)までの間に、日本海で低気圧が発達し、初めて南よりの毎秒8メートル以上の風が吹き、気温が上がる現象のことです。この強い南風は、竜巻などの突風(とっぷう)を伴うこともあり、注意が必要です。
「南よりの強い風ってどっちから吹く風!?www」
って方!安心してください、私も調べましたから…
「南よりの強い風」は「南から吹いてくる風」のことみたいです!
あ、今日の風、確かに南から吹いてたかも…だって北側の窓が、HIPHOPかなってくらい踊ってたもの…。気象庁からの発表が楽しみ!
『春一番』はもともと漁師言葉!
『春一番』は気象用語ではありますが、実はもともと、気象庁がビルの中で考え出した言葉ではなく、漁師さんたちが春を呼ぶ風として言っていた風の名。
始まりは壱岐の漁師さん。
「壱岐の島で2月に入り最初に吹く南風」を本来は指していたそうな。
春の訪れを告げる反面、突風によって海が荒れるので、『春一番』『春一(はるいち)』などと呼び注意喚起も込めていたようだ。
他にも、瀬戸内海では「2月から3月始めの雨まじりに吹き荒れる南風」を昔から『春一番』とよんでいたそうだし、『春一番』という言葉の起こりは諸説あるようす。
関東ではだいたい2月末から3月始めのころの突風を指している。が、近年2月頭ごろから気象庁の発表があったりする。

春一番が吹くと、木々の蕾が一斉にほころび始める。春の便りの嵐なのだ。
戦後に使われ出した気象用語の多くは気象庁生まれだというから、なおさら昔ながらの、自然に則した生活が感じられる言葉。
船の航行は風によって左右されるから、人一倍、風に敏感な漁師さんたちが名付け親というのも納得できますね。
『春一番』はなぜ吹くの?
春一番は、強い日本海低気圧の発達によるもの。
この時期の低気圧は急速に発達することが多いため、天気が荒れ狂います。
落雷、竜巻なども起きることがあり、釣りなどもってのほか。
『春一番』何番まであるの?
桜の咲くまえに、春二番が吹き、春三番。
時に春四番ぐらいまで吹く年もあるそうだ!


風が強いのは困るけど、今年は何番まで吹くのかなって数えるとわくわくするわ!
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