福ちゃんの「日本料理に心酔中!」〜食事が2倍楽しくなるブログ〜

フィンランドのサウナ
フィンランド

北欧はサウナで外交する!?本場フィンランドのサウナ事情!

ちょ、サウナでビジネスのお話するの!?

フィンランド歴代大統領も!?サウナで外交交渉!

スモークサウナ
スモークサウナの小屋。サウナの原点にしてキングオブサウナと呼ばれる。これは前日から薪を燃やし石を温め、薪の香りも楽しめる伝統的形式。スモークサウナはフィンランド人にとっては最高のおもてなしになるんだとか。

フィンランドでは、ビジネスの場でも「サウナ会談」が珍しくないんだそうな。

日本やアメリカなら接待の定番といえばゴルフ。

フィンランドでは「一緒にサウナに入る」ことが信頼関係を築く手段になるみたい。

なぜか?
・サウナではみんな平等(裸なので肩書きや権威を忘れやすい)
・リラックスして本音が出やすい
・プライベートな空間で、じっくり話せる

実際に、フィンランドの歴代大統領もサウナで外交交渉をしたことがあるし、大手企業の重役同士がサウナで意見交換をすることもある。

ゴルフの代わりに「今度、一緒にサウナに行きませんか?」なんて誘うのが、フィンランド流のビジネスコミュニケーションなのだそうだ。

美容院より多い!フィンランドのサウナ

フィンランドの無料のサウナ
フィンランドの無料のサウナ。

サウナは、フィンランドでは生活インフラだ。
サウナは単なるリラクゼーションではなく、日常生活に溶け込んだ文化そのものなのだ。

それゆえにサウナがべらぼうに多いと言われるフィンランド。

その数なんと330万基といわれている。

フィンランドの人口は約550万人だから、1.6人に1つのサウナがある計算だ。

日本も美容院多いよね。そんな感覚?

日本の美容院の数とフィンランドのサウナ数を比べてみると、けっこう面白かったので記しておきたい。

日本の美容院は約48人に1軒

日本には 約25万軒 の美容院があると言われている。(厚生労働省のデータによると、2023年時点で約26万軒)

日本の人口が 約1億2000万人 だから、 約48人に1軒の美容院 という計算になる。

それに対して、フィンランドのサウナは1.6人に1つ。つまり、日本の美容院なぞ足元にも及ばないことがわかった。

フィンランドのスクーターとサウナ
フィンランドのスクーターとサウナ。…こんな街角に!?🤣どれほど身近なものかが窺い知れる一枚だ。

日本て美容院よりコンビニの方が多そうじゃない?

どうやらそうでもないらしい。

日本、特に都心部では「どこにでもコンビニがある」って感覚だけど、実際は、美容院はコンビニの約5倍もあるとされている(2023年データ)。

1990年代から現在まで美容院はずっとコンビニの4〜5倍くらいの数をキープしてる。「コンビニより美容院の方が多いのが日本の特徴!」だなんて海外の雑学系tiktokerにネタにされてるかもしれない。

でも「 コンビニ多いなぁ」は思ったことあったけど「美容院多いなぁ」と感じたことはなかったから意外だったな。おそらくコンビニは駅前や1階のテナントに集中してる から目立つだけで、美容院 住宅街やビルの2階以上にもあるから、見えづらいだけなんだろうな。

たぶん感覚的には日本の都心部の「どこにでもコンビニがある」って感覚で、フィンランドでは「どこにでもサウナがある」ってことなのかなと思う。「特別な施設」ではなく、「日常の一部」という意味では。

家庭にあるのはもちろん、オフィスや公共施設、さらに湖畔や森の中にもサウナ小屋が点在する。

え?お家にサウナ!?

フィンランドには、各家庭にサウナがある!

フィンランドの家サウナ
フィンランドの家サウナ。自宅ならロウリュもし放題。

フィンランドでは、サウナは特別な施設ではなく、生活の一部。

多くの家庭には自宅にサウナが備え付けられていて、アパートやマンションでも共用のサウナがあるのが普通。

例えば、
・一軒家なら自宅のバスルームの横に小さなサウナがあることが多い
・マンションでも週に何度か使える予約制の共用サウナがある
・湖のほとりにサウナ小屋を持っている人もいる

フィンランドに1.6人に1つのサウナがあるのもうなづける。

けど人口550万人に対して330万基って…想像もつかないな🤣

サウナは「裸で語り合う場所」とも言われていて、冒頭にも書いたように政治家やビジネスマンがサウナで重要な話をすることも珍しくないそう。まさに、心も体もオープンになる空間。日本でいう「裸の付き合い」。国は違えど共通する感覚なのね。

余談だが世界中にあるフィンランド外交領事館は98あるが、そこにも、全てサウナが備わっているそうな。

まさに無くてはならない存在、なんだな。

でも、数多く存在し身近であっても、フィンランドではサウナを神聖な場所と捉え「教会に行くときの気持ち」と表現することが多いようだ。
     

フィンランドが「サウナ文化の発祥地」

サウナの発祥地については諸説あるが、フィンランドが「サウナ文化の発祥地」とは、広く認識されていること。

実際、「サウナ」という言葉自体がフィンランド語でもある。

「蒸し風呂」や「煙の出る小屋」を意味する「Sauna(サウナ)」から来ている。

フィンランドにおけるサウナの歴史

フィンランドの昔からのサウナ
フィンランドのサウナ。少し年季が入っているようだ。

最古の記録は、なんと約2000年前にさかのぼるそうだ。

もともとは地面に掘った穴を暖めた「土のサウナ」から始まる。

やがて木造の「スモークサウナ(煙サウナ)」へと発展し、現在では電気サウナなど、多様な形態へと進化している。

フィンランドの他にサウナの発祥地といわれる場所はいくつもあるが、ここでは割愛する。とにかく、私にとってフィンランド人のサウナフリークスぶりに興味が湧いて仕方がない。

サウナに入っていいのは何歳から?赤ちゃんも入るフィンランドのスタイル

フィンランドでは、サウナに年齢制限はほぼ無いといっていい。

なにせ赤ちゃんの頃から家族と一緒に入るのが普通らしく、「サウナデビュー」は生後数ヶ月なんてことも珍しくない。

ただし、小さい子どもは大人と一緒に入るのが一般的。温度も少し控えめに。

最初は短時間だけ入って、慣れてきたら徐々に長時間楽しむ、という段階的なロードマップが敷かれているようだ。

学校でもサウナがあるところがあったりして、フィンランドのサウナは子どもからお年寄りまで世代を超えて楽しむ文化。

フィンランド人にとって、サウナは「入る」とか「行く」というより、当たり前にある日常みたいだ。

本場と全然違う!日本の「フィンランド式サウナ」は日本独自

え?ちがうの?
フィンランド式なんじゃないの?

比較してみた!本場フィンランドと、日本の「フィンランド式」サウナの違い

どれも本場フィンランドの「自由でのびのびしたサウナ文化」とはちょっと違って、日本独自のアレンジが加わっている。

【違い1:温度と湿度】
フィンランドのサウナは80〜100℃くらいが一般的だけど、湿度が高め。
日本のサウナは90〜110℃と高温のところも多く、乾燥していることが多い。

【違い2:ロウリュの自由度】
フィンランドでは、石に水をかける「ロウリュ」を自分で自由にできる。
日本のサウナは「スタッフがロウリュをする時間が決まっている」ところが多い。また、日本でロウリュといえばタオルでおこした熱波を浴びることをさす。

【違い3:入り方の流れ】
フィンランドでは、
・まず軽くシャワーをするくらいで、体を洗わずにそのままサウナへ(汗で自然に毛穴が開くのを待つ)
・じっくり温まってから湖や外気浴でクールダウン
・これを好きなだけ繰り返す
日本では、最初に体を洗ってから入るのがマナーとされているし、水風呂に入らない人も多い。

【違い4:裸の文化】
フィンランドでは、基本的に男女別だけど「家族や友人なら一緒に入る」のが普通。
日本のフィンランド式サウナは、水着やタオルを巻くスタイルが多く、本場の「素のままのサウナ」とはちょっと違う。

そしてサウナの原点と言われる「スモークサウナ」も日本にはない(できない?)。フィンランドの伝統的な様式のサウナ。

しかし、日本のフィンランド式サウナも快適でいいところがたくさんあるから、違いを知った上で、それぞれのスタイルを楽しむのがいいだろう。

だから、日本人は現地のサウナを体験すると「思ってたんと違う」になるらしい

フィンランドの本場のサウナを体験した日本人の中には、「思っていたのと違う!」と感じて、すぐ出てしまう人もいるらしい。

え?せっかく現地まで来たのに!?

その理由はいくつかあるみたいなので、記してみたい。

先の項目での、本場との比較と合わせてお読みいただくとよりわかりやすい。

【理由1:湿度が高くて、熱の感じ方が違う】

日本のドライサウナに慣れていると、本場のロウリュをしたサウナは「息苦しい」と感じることがある。

なぜなら湿度が高いと体感温度が上がるため、思った以上に熱く感じてしまう。

【理由2:水風呂ではなく湖や雪でクールダウン】

フィンランドでは、サウナの後に湖や雪に飛び込むのが普通。

冬場には、凍った湖に入ることもあるんだって!

日本の水風呂とは温度も環境も違いすぎて、「冷たすぎて無理!」とリタイアする人もいるらしい。そりゃそうだ…。

フィンランドの寒さについての関連記事はこちら▶︎

道なのか湖なのかが凍った様子。極寒のフィンランド。
道なのか湖なのかが凍った様子。極寒のフィンランド。

【理由3:時間の感覚が違う】

日本では「サウナ→水風呂→休憩」を短時間で回すスタイルが多い。

しかしフィンランドでは、サウナに何時間も滞在するのが当たり前。(フィンランド人にインタビューしたサイトには5時間とあったw)

「じっくり温まって、のんびり過ごす」のが普通だから、「こんなに長く入るの!?」と驚いてしまうんだってさ。しかも、サウナの合間(休憩中)に食事をしたり散歩、読書などし自由に過ごすそう。フィンランドでは時間を忘れて過ごす。そういった一連の行為すべてひっくるめてサウナと捉えているようだ。

【理由4:会話しながら入るのが普通】

日本では「サウナでは静かに」が基本。

だけど、フィンランドではおしゃべりしながら入る。
ロウリュのときも、必ず声をかけるのがマナーとされる。

ロウリュがきっかけで初対面同士でも会話がはずむこともあるそう。

日本のサウナで慣れていると「リラックスできるはずが、会話が気になって落ち着かない…」と感じる人もいるみたい。
   

フィンランドの薪ストーブサウナ
フィンランドの薪ストーブサウナ。

要するに

「日本のフィンランド式サウナ」と「本場のフィンランドサウナ」はまったくの別物。

だから日本スタイルに慣れている人はギャップを感じやすい。でも、本場のゆったりしたサウナ文化を楽しめるようになると、もうクセになっちゃうらしいよ。

ちょっと話はずれちゃうけど、料理の業界でも、「和食」ではなく「本格和食」とかわざわざ謳ってるとこは、本来の伝統的な(=本格的な)和食とは別物だもんなあ。

「本格和食」は略さずに表記したら、

「本格(的な和食を提供するような体裁でやってますけど実際には本来の和食とは似て非なるものを提供してますんで、あえて本格って枕詞つけてホンモノの和食と区別してる)和食」だとおもう。つまり簡単にいえば、”本格ではないですよ”ってことを自ら明記しているのだ。

だからそう掲げている場合は、店選びが難航することがある。もちろん、素晴らしい腕を持つゆえ自由に料理している料理人のお店もあるのだが、気を付けたいのは、本来の和食を提供したくても”技術的に”作れない料理人の店だ。ろくろく修行もせず、和食の勘所もないような、そういう人たちが”ソレっぽいもの”を作ろうとするから「 ”本格” 和食」だなんてわざわざ謳う必要が出てきてしまう。

ホンモノであれば、自分に「本格」なんてつける必要がないのだ….西新橋の料亭『新ばし金田中』は『新ばし金田中』であり、紀尾井町『福田家』は『福田家』であり、西健一郎氏が守り抜いた『京味』は『京味』なのだ。どこにも本格なんて書かない、付けない。だって、ほんものなんだもの。

   また話が逸れました。これくらいにしときます。サウナは悪くないよ。

フィンランドの湖の夕焼け
フィンランドの湖の夕焼け。こういうのを眺めてゆっくり休憩して、また小屋に戻って、また休憩して。休憩中にご飯を食べたりするんだってさ。なるほど、「そんなに長時間サウナして、晩御飯いつ食べるの?」って考えちゃったけど、すでにそれが日本式の考えなんだな。

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