福ちゃんの「日本料理に心酔中!」〜食事が2倍楽しくなるブログ〜

白子ポン酢
2月

料理用語『雲子』

読み方

くもこ

意味、由来

マダラの精巣のこと。

まるで雲のようにみえることから『雲子(くもこ)』

異称

・白子(しらこ)

・菊子(きくこ)

雲子という言い方も、もくもくした感じはまさにその有り様が表現されていて好きだが、私は菊子の呼び方が好みである。

昔の日本人はマダラの腹を開き、そこに日本の花である菊を見た。

小さな花がいくつも寄り合う様からついた名ではあると思う。

しかし、それだけではないのではと想像する。

なぜならば菊は時に天皇さまのシンボルマークにもなるのだ。滅多なものにはつけられない。

それゆえ、腹にたくわえられた白子が、包丁を引いたそばから大量に溢れ出てきたその様子に、人々はおそらく相当に歓喜したのだろうと想像する。そんな情景が浮かんでくる呼び名だ。
  

食味、調理法

もっともメジャーな調理法は『白子ポン酢』であろうと思う。

会席料理屋ともなると『雲子真丈(しんじょう)』など椀種にして出してくれる。真丈は魚のすり身や卵白等で蒸し上げたもの。先輩板前にはよく、はんぺんとさつま揚げの中間だなどと諭されたものである。確かに、柔らかさにおいては言い得ている。(おっとまた脱線しそうだ)

白子自体、口に含むととろりとしたクリーミーさが身上であるが、生の場合はそのつるりと滑らかな舌触りが楽しめ、加熱すると濃厚でおよそカスタードクリームのような重厚なとろみに変化する。

白子ポン酢
白子ポン酢。白子の代表的な食し方であり、料理方法はポン酢をかけるだけだ。しかし実際には板前仕事では生の白子は筋を取り除き、多過ぎず少なすぎないくらいのひと口大にうまいこと切り分け、橙をたっぷり絞り調味し3ヶ月熟成させた自家製のポン酢を掛け、紅葉おろしや打ったネギを添え白子の鮮度を思わせるみずみずしさが映える器を選び提供されるのである。

     
      

とらふぐの白子
ちなみにこちらはフグの白子(しかもトラフグの白子)。「白子」はどの魚にも使う名だが「雲子」「菊子」はマダラに独占されているのがわかるだろう。

   
  

ボラの白子
ボラの白子。
鮭の白子
鮭の白子。

  
  

焼き白子
焼き白子。表面が加熱され中はほぼレア。得も言われぬとろみを体験できる。熱いうちにすぐ食べるのがいい。酒や塩を振って焼いたり、醤油を塗りながら焼いたりする。そのまま頬張るもよし、柑橘類を垂らしてもよし。
焼き白子
こちらも焼き白子だが昆布に乗せて焼きつけたようだ。香ばしい焼き白子が、昆布の旨味と香りをまとった、洒落た一品だ。
白子の天ぷら
白子の天ぷら。サクッと揚がった衣のあとにじゅわりととけだすあつあつの白子が最高。塩、または天つゆもまたいい。
グラタン
創作居酒屋などに寄ると、白子グラタンなども見かける。加熱した白子とホワイトソースのとろみはほとんど合致しているといっていいので、アイデアの一品だ。味噌グラタンにする店もある。
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